~培養心筋細胞に及ぼす脂肪酸の効果~
重篤なダメージを被った心筋組織に対して、培養した心筋細胞を外科的に移植する手法はこれまでに度々用いられてきたが、その臨床効果にはまだ課題が残る。
培養された心筋細胞は生体内のそれと比べて拍動収縮力が圧倒的に劣ることが知られており、この理由の一つとして、培養環境と胎内での成熟環境との差異が考えられる。
細胞培養に用いる培地には脂肪酸がほとんど含まれない一方で、脂肪酸の一部はそれ自体が生理活性を有し、細胞の成熟・分化・代謝機能を調節していることが知られている。
本研究では培養液中に種々の脂肪酸あるいはその代謝物を添加し、再生医療への貢献度がより高い心筋培養方法の確立を目指している。
(公益財団法人高橋産業経済研究財団の助成を受けて進められています。) |